リアルワールドですでにブランドを確立している企業が、オンラインにおいても事業展開を開始する場合、クリック&モルタル型事業モデルの特性である強みを最大限に活かしていくべきであり、リアルワールドでのこれまでの事業展開で醸成されてきたブランドアイデンティティとの整合性を図りながらeブランドを構築していくことが極めて重要になります。当然のことながら、具体的なブランド構築の方法論は各企業がeビジネス展開に何を求めるかによって異なってきます。オンラインチャネルへの進出が、これまでの事業の発展、という意味合いで行われるような場合には、eブランドのアイデンティティを既存のブランドアイデンティティの延長線上に位置づけることが妥当と考えられます。eブランド構築は、いわばブランド自体の進化のプロセスとしてとらえることができるというわけです。ブランドの進化は、価値あるブランドを有する企業にとっては極めて重要なブランド課題です。なぜなら、せっかく影響を与えずに実施できる、という意味では比較的取り組みやすいものといえます。また、資生堂が最近取り組んでいるように、親ブランドの傘の下に複数のサブブランドを配して、それぞれのサブブランドに、今までよりも一段絞りこんだターゲットに対するメッセージを包含させることによってブランド進化を図るという方法は、事業自体への影響がそれほど大きくありません。