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最近の国産車は本当に壊れない

最近の国産車は本当に壊れなくなった。各部の精度も高く、高級車になるとエンジンがかかっているかどうかさえ、メーターを見ないと分からないほど静かでスムーズだ。ところが、この静けさがクセものだ。クルマの運転は本来、人間の五感(味覚はまあ、関係ないか)を動員しなければ間に合わない作業のはずだ。何しろ、生身では金輪際、出せるはずのない高速で移動しているわけで、五感どころか、第六感さえ働かせないと、いつ生死にかかわる状況に陥っても不思議ではないのである。ところが、いつの頃からか、クルマをプライベートルームとして外界から隔絶しようという考えが進み、今や窓を閉め切れば街の喧騒も聞こえないのが常識になってしまった。あまつさえ、室内には大音響で音楽を流し、まるでTVゲームさながらに窓からの映像だけを便りに運転する人が多い。実際に、路地から出ようとしていた高級車に、ホーンを鳴らしたにもかかわらず飛び出されてぶつかった人がいる。相手は「ホーンなんか聞こえなかった」と言ったそうだ。彼にとっては、見えなかったものは存在しなかったのと同じだったのだろう。人間の視界なんてたかが知れている。混んだ日本の市街では、遮音性の高いクルマは安全性に欠けることを、認識しておきたい。

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